高湯温泉〜冬の里山の収穫などなど

年始の行事として今朝は雑煮作りました。シンプルに鳥皮で出汁とって青菜はセリのみ。電子レンジ用の「くっつかない餅網」という便利物が売ってましてこれが調子良いです。餅料理に手間かかりません。

このセリなんですが湧き水地帯に自生してまして、荒川運動公園周辺の側溝などに群生地があります。春の七草と言われるように、冬でも採取できる貴重な青菜です。本当はセリは白いヒゲ根が美味しいので、すき焼きなんぞに清流にたなびいてたヒゲ根を大量に投入して、ボリボリと歯ざわりと香りを楽しむと良いのですがこれまた日本酒に合う。まぁ根っこの採取は環境の問題もありますのでお奨めしませんが、美味いんです(キッパリ)。

高湯温泉のふもとのフルーツライン山側には、吾妻の山々からの湧水が湧き出る場所が帯状に広がっています。ちょうど扇状地の末端で水が顔を出す場所なんですね。その湧水場所に集落があり、その集落は道路でつながっていますが、これを扇状地湧水帯集落と呼びます。昔の古道とまったく重なり、人は住みやすい場所に住むもんだと理解することができます。つまりこの湧水地帯に沿って田んぼの畦などでセリやクレソンが採取できるということでもあります。鍛冶屋川の周辺なんぞは大変良ろしい場所です。

鍛冶屋川は水田の中を流れる両岸をコンクリートで直線にしっかりと護岸された、一見用水路みたいな川です。しかし小河川ながら水量は安定していて、里中に流れ出てきてから湧水によって水が補給されていることが解ります。つまりこの川は湧水により冬でも水温はわりと高めで、これは冬の雪野原の川がぽっかりと開いていることでも分かりますが、植物や水生昆虫などが冬でも過ごせるということでもあります。ということは、通常冬の魚は餌が無いので冬眠状態でじっとしていますが、この川の魚は冬でも捕食しているので春先には銀ピカの大きな魚が釣れるという事です。油断して安易に竿を出し、大山魚女に糸を切られて地団太踏んだ釣り師もいるはず。大物は大場所だけに生息するとは限りません。

ところで「福島でワサビは採れんのか?」と質問された事がありますが、運動公園荒井方面にも山ワサビは生えています。ただしすりおろせるような太根っこのワサビはなかなか出会えません。水量の増減が激しい渓流には自生せず、支流の小沢にひそかに生えます。

茂庭ダム工事が始まる前に、岩魚釣りにあしげく通った摺上川の最大支流に烏川という沢があるのですが、その奥にワサビ沢という名前の小沢があります。ひとまたぎ出来るような小さな沢で、岩魚は生息するものの釣るに値しない小物しかおりません。こういう沢は岩魚が繁殖する種沢として竿を出すべき場所ではありませんが、ワサビ沢という名前では、ちと奥まで散策せねばなりません。やはりあったあった、滑状の岩肌にワサビがしがみ付いているのですが、根っこの大きさはせいぜい小指の太さぐらい。この大きさに育つまでには何年かかったのか?と考えるととても採れません。葉っぱだけ摘んで帰りました。

むしろ心置きなく採れるのは葉ワサビで、こちらは林中に散生しています。根ワサビと違って水が流れていない場所で、普通の山菜として収穫できます。宮城県は笹谷峠に名取川支流の北川があるのですが(支流といえども大渓流)、宮城県は3月が渓流釣り解禁で福島県よりも一ヶ月早い。残雪のたっぷり残るこの時期に岩魚釣りに通ったものですが(山形自動車道ができる前)、残雪がぽっかり開いた場所に青々とした葉ワサビが生えている。釣果に関係なく毎年収穫を楽しませていただきました。

葉ワサビの食べ方は、まず刻んで色を出すために塩をまぶす。次にザルに熱湯を掛けまわし湯切りし砂糖を少量まぶす(この砂糖によって辛味が増す)。あとはタッパで密閉して冷蔵庫で半日寝かす。ワサビ特有のツン辛味の出たおひたしが楽しめます。コツとしては熱湯をかけすぎないこと、辛味が抜けて苦味が出ますし歯ざわりが悪くなります。
マグロのヅケにこんもりと葉ワサビを盛って麺つゆをかけ、ワシワシと食すれば日本酒にぴったりなんだなこれが。

ページの先頭へ